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線維筋痛症候群のレーザー治療

 長い間、全身至る所に痛みを感じている方で、毎日疲労感が強く、不眠、逆に一日中眠くてしょうがないと思っている方や、朝のこわばり感、しびれ感、肩こり、頭痛などに悩まされ、鬱病と診断されたり、下痢や便秘を繰り返すことから過敏性腸症候群や、頻尿のため過敏性膀胱と診断されている方も多いかと思います。さまざまな症状があるけれど全身の広範囲な痛みが長く続いている方は一度、この「線維筋痛症候群」を疑ってみる必要があります。
 関節リウマチなど他の特に膠原病との鑑別は、臨床検査値に異常が見つからないこと。原因も治療法もまだ見つかっていませんが、症状は交感神経緊張状態によってもたらされていると思います。そこで、我々は、頚部の星状神経節にレーザー照射を行って交感神経緊張状態を改善した上で、全身のレーザー照射を行い、成果をあげています。

頚部のレーザー照射

 第15回日本レーザー治療学会が7月初旬に開催され、頚部のレーザー照射とストレッチングというリハビリテ−ション技術を組み合わせた大城博士の治療法がユニークでした。当院でも慢性の難治性疼痛に頚部の交感神経節照射を併用してその有用性を確認していますが、腰椎椎間板ヘルニアに対する有効率の低さが問題でした。大城博士の報告は椎間板ヘルニアに対する有用なレーザー治療技術として期待させるものでした。当院でも早速、試みています。この学会における私の担当は、レーザー治療に一定のガイドラインを作ることによってレーザー治療を正しく評価してもらうための作業です。疼痛疾患に対する除痛効果 は先のヘルニアを除けば、専門医の間では最低でも70%以上の有効率があります。でも正しく使用できないと有効率30%以下にもなりうる難しい治療法なのです。

交感神経節のレーザー治療

 我々の健康は、交感神経系と副交感神経系という二つの自律神経系が整然と協力して働くことによって維持されています。最近では、免疫系、特に白血球の働きと自律神経系の深い関わりが注目されており、これまで以上に自律神経系の働きを調節する低反応レベルレーザー治療への期待が高まっています。
 今回は、交感神経系が過剰に働いている交感神経緊張状態の改善作用のお話です。この状態は血行障害が原因の肩こり、腰痛、頭痛、冷えなどの痛みが起こりやすいと同時に、副交感神経の働きが低下している為、便秘や食欲不振などが見られます。つまり、血行障害によると思われる疾患や副交感神経系の働きを高めることで改善する全ての疾患が、交感神経節のレーザー治療の対象です。脱力や疲労感など一般 に考えられている自律神経失調症に限らず、多汗症、不眠症なども対象です。

アトピー性皮膚炎のレーザー治療2003

 アトピー性皮膚炎の治療に成果を上げている大阪回生病院、庄司先生の報告を最初に紹介します。
 通常の対症療法としてステロイド軟膏、保湿剤、抗アレルギー剤を使用。眠気に気を配り、水分は水かお茶にすること。間食は果物のみとし、糖分を取り過ぎず、飲酒はできる限り少量とすること。スキンケアに注意し、出力1000mWのレーザー光を週1〜2回、星状神経節に照射。結果 、かゆみの改善は例は75%、紅斑(赤味) の改善74%。乾燥の改善が52.8%で、改善がみられるまで10日以上はかったとのこと。かゆみがとれて眠れるようになる例が多く、治療を繰り返す程、改善。
 ただし、乾燥は改善しにくいと報告。私の経験でも、治療回数を重ねる程、かゆみや赤味は改善し、眠れるようになる例が多いと言えますが、かさかさ(乾燥)

レーザー治療 -ホームページへの質問より

 当院に寄せられたお便りや質問を改めて見てみると、さまざまな痛みで悩んでおられる方が本当に多いと実感します。足裏の痛みで悩んでいる27歳の広島の女性。帯状疱疹後、胸部にチクチクした痛みを感じたまま半年以上診断がつかず、結局神経痛が残ってしまったという62歳の方。原因不明の腰痛を訴える方。ゴルフをしながら腰痛を治したい方。スポーツ障害で悩んでいるテニス選手やウエイトリフティング選手…。
  「レーザー治療で痛みが消えるか」という質問も多くいただきます。例えば前途の足裏の痛みを持つ方には、足底筋膜炎、足根管症候群、モルトン病等の鑑別 が必要で、レーザー治療が有効なことが多いと解答しました。レーザー治療の出来る施設はまだ全国的に少ないのですが、私のこれまでの1万例近い治療経験とデータから、誠意を持ってお答えしています。

レーザー治療 ガイドライン作成に向けて

 今回の日本レーザー治療学会のテーマは、「さらなる生活の質(QOL)の向上を目指して」。QOLの低下の大きな原因の一つに「痛み」があります。この学会のメインテーマの一つがレーザーで痛みを取ること。そしてレーザー治療のレベルを高め、全国どこでも、一定水準以上の有効率を上げられるようにすること。そのためにレーザー治療のガイドラインを作成する必要があると結論づけ、議論を重ねてきました。
 今回はまず帯状疱疹後神経痛、肩関節周囲炎、筋筋膜性疼痛(腰痛、筋収縮性頭痛など)、変形性関節症など3〜4つの疾患でレーザー治療ガイドラインを作成することになりました。レーザー治療装置も数多くある中から2つに絞る方向になるでしょう。レーザー治療の評価を確立し、全国どこでも安心して治療を受けられるようにすることが目標です。

睡眠とレーザー(第17回レーザー治療学会より)

 レーザー光線を使った治療は、薬を使う治療より副作用がないのが特徴です。非常に幅広く応用が可能で、全科的な広がりを見せています。中でも、大阪回生病院の庄司先生の星状神経節レーザー治療の結果 はとても参考になりました。
 本来、アトピー性皮膚炎の治療に用いていたところ、皮膚に対する有効率は53%程度でしたが、睡眠障害が改善して日中の集中力、食欲が飛躍的に上昇。中学でクラスでも最低の成績の子供が、西日本で有数の進学校が参加する模擬試験で数学トップとなり、京都大学に合格したという例を紹介しており、睡眠障害を改善するレーザー治療を大いに活用してほしいと話されました。
 アトピー性皮膚炎に限らず、睡眠障害を伴う体調不良を感じている方は、この治療を試してはいががでしょうか。

苦痛の解消にレーザー治療を

 何らかの苦痛を持って毎日を暮らしている日本人は全体の30%以上で、そのうちの30%は日常生活に支障をきたす程の疼痛に悩まされており、中でも男性は腰痛、女性では肩こりが最も多いといいます。
 今年9月の日本レーザー医学会での兵庫医大楊先生の報告によれば、高齢者に多く見られる腰痛、膝痛、肩痛に対して、低出力レーザー照射を1日1回、5日治療したところ、70%以上の方がその効果に満足と答えたそうです。 当院でもレーザー治療直後にその鎮痛効果に感動したとおっしゃる方が多いのが、各種原因による腰痛、肩こりに伴う頭痛、関節リウマチ、筋肉トレーニング中の方の筋肉痛などです。
 一方、繰り返しの治療で徐々に楽になるのが、レーザー治療による軟骨再生が期待できる高齢者の変形性膝関節症、いわゆる座骨神経痛などです。治療に痛みを伴わないもの特徴です。

レーザー外来の近況

 健康志向の高まりで、スポーツを楽しむ方がとても増えています。中年はストレス解消と減量 、高齢者は健康維持のため…と目的は様々ですが、特に、卓球、ゴルフ、水泳、テニス、登山に夢中になっている方が多いようです。しかし、夢中になればなるほど腰痛、膝関節痛などに悩まされます。どんなに痛くてもやめられない方にはレーザー治療が適しています。
 オリンピック選手もレーザー治療をしながら競技に参加しているように、治療しながらスポーツも楽しめます。極端な例では、足の指1本骨折してもレーザー治療しながら一日も休まずスポーツクラブに通 ったという方も。
 レーザー外来も時世を反映してか元気な中高年スポーツマンが多くなってきました。旅行の前に毎回腰痛治療に来られる方もいます。レーザーの即効性をよくご存知なんですね。

レーザー光の軟骨再生効果

 単純に外傷ではがれた軟骨にレーザー光を照射すると、2週間で回復します。これは動物実験でも証明されています。老化によって変性した軟骨を再生させることができれば画期的なのですが、簡単ではありません。しかし、今年の第18回レーザー治療学会でレーザー光によって軟骨細胞が増殖するという実験データが報告されています。実用化にはもう少し研究をすすめる必要がありますが、老化による変形性関節症の痛みに悩む患者さんには朗報でしょう。
 一方、関節リウマチで破壊された軟骨に対してのレーザー光の作用はもっと複雑です。炎症性サイトカインと言われる骨軟骨の破壊物質との関係が問題です。この破壊物質を免疫療法によって抑制した状況で維持した場合は、レーザー光によって軟骨の修復率が上昇します。強力な抗サイトカイン療法がリウマチ治療に導入され、さらにレーザー光の軟骨修復作用に注目です。