第22回日本レーザー治療学会 市民公開講座の紹介
平成22年6月27日、横浜山下公園近くの会場で、開催します。講演1は関節リウマチ、変形性関節症、五十肩、腱鞘炎、スポーツ障害等の整形外科的な痛みについて、レーザー光を主に利用した治療法に関するお話です。講師は篠山病院整形外科部長の楊鴻生先生です。会場からご自身の痛みについて相談されたらいかがでしょうか。講演2は皮膚の美容、抗加齢療法のお話です。講師の久保田潤一郎先生は自身のクリニックを開業され、国際的にも第一線でご活躍の先生です。あざ、しみ、しわ、たるみなど、女性に限らず、多くの方々が密かに悩んでおられる問題について、眼で見て碓認できる治療前、治療後を示して頂けるものと思います。レーザー治療を中心とした最新の治療法を紹介して頂きます。参加希望の方は、お名前•ご住所•ご連絡先を記入の上、事務局FAX 044-954-0622 または メール shimin_jalta22@jrlaser-hikarichuo.com にてにお申込下さい。 2010.6
関節リウマチとレーザーの鎮痛作用
我々は身体のいたる所で温かさや冷たさを感じます。それは温度の違いを感じるTRPV1受容体と呼ばれる分子構造があるからです。この温度受容体は、通常は43度を超えると温度上昇につれて痛みとして我々に伝えます。
関節リウマチでは炎症物質により、我々の体温の36度でもこの受容体が痛みとして伝えるようになります。炎症物質の産生や作用を抑えるのが、消炎鎮痛剤や、抗リウマチ剤です。中でもメソトレキセートを筆頭とする免疫抑制剤や、最近よく報道される生物学的製剤が強力です。レーザー光も炎症物質の作用を抑制し、受容体に働きかけて鎮痛作用を発揮します。薬物療法と併用することも有用です。
関節リウマチでは、炎症部は熱を持っています。レーザーの作用は、組織を温める効果ではありません。熱をもって痛む関節に対してレーザーを照射すると関節の熱感がとれて痛みをとるという経過をとります。2009.10
レーザー療法の話題2009
第21回レーザー治療学会の話題です。トップアスリートの練習や競技直前の筋肉や交感神経節へのレーザー照射により、身体の柔軟性が増し、疲労回復が早くなることを、Jリーガーや、ラグビー選手、駅伝選手等で証明され、導入に期待大であることが示されました。レーザー光照射により組織への酸素供給が高まり、疲労蓄積や故障の危険が低下するわけです。レーザー治療だけでは、治療効果が低かった場合の帯状疱疹後神経痛に対する治療法も大変興味深い報告でした。
一方、レーザーによる若返り効果も示され、アンチエージングの手法としてレーザーが有効というデータも多く示され、今後の期待領域と思います。
光の特性を生かした医学・生物学への応用では、レーザーによる胆石の破壊技術、椎間板ヘルニアのレーザーによる安全な治療方法の開発等の論議がされました。新技術が、近い将来使用可能になるでしょう。2009.8
レーザー治療はオーダーメイド
レーザー治療は、動物実験を始めとする多くのデータに基づいた医療(ΕΒΜ)です。しかし、実際には、個々の患者さんによって治療法や効果が異なるため、個々の患者さんの評価に基づいた医療(ΡΒΜ)を大事にしようという動きが高まっています。
整形外科的な腰痛、五十肩、腱鞘炎、スポーツ障害によるテニス肘、足底筋膜炎等、痛みを訴える病気に対しては、速効的な鎮痛効果
をねらってレーザー治療を行います。治療効果の評価は、効くか効かないかをその場で判定してもらうΡΒΜで評価します。一方、痛み以外の慢性症状である不眠症、自律神経失調症、更年期障害、アトピー性皮膚炎等にもレーザーが成果
を上げています。繰り返し治療が原則ですが、この場合も、ΡΒΜで効果判定を行います。
つまり、レーザー治療は、個々の病態に合わせたオーダーメイド治療です。 2009.4
低反応レベルレーザー治療の特徴
日本スポーツ界の若きトップアスリ−ト達のアキレス腱周囲炎、バレーボール選手などのいわゆるジャンパー膝や踵の炎症、野球やテニス、ゴルフによる肘痛などのレーザー治療が、運動をやめられない選手達を支えています。薬物使用によるドーピング問題に悩まされる事がない治療法である点も有利です。
加齢による変形性股関節症や関節リウマチが原因の股関節痛には、病巣が深いためレーザーは無効ではないかと誤解している先生が多いのですが、レーザー光の特徴は皮膚にやけどをさせる事なく、深い病巣まで高い光エネルギーが達する点であり、実際、股関節痛にとても有効です。
重症の糖尿病や心筋梗塞、脳血栓などの予防のためにワーファリン、バファリン等を服用している人の痛みに対しても、神経ブロックや鍼治療などは危険であり、レーザー治療が選択されます。2008.8
治りにくい五十肩
肩が痛んで腕が上がらない、夜眠れない程痛むといった経験をしている方は多いと思います。自然経過的に治ってしまう人もいますが、一言で五十肩と言っても、治りやすいタイプと治りにくいタイプがあります。痛みが始まったばかりで、肩の動きが制限される前の初期段階は、鍼でもレーザー治療でも比較的容易に治ります。
しかし、長期間経過し、腕を上げようとすると肩甲骨まで引き上がるようになってしまうと重症です。ここまで悪化した場合は、筋原性関連痛という観点からレーザー、神経ブロックなどを組み合わせて行う治療法が有効と思われます。肩の前面から前腕にかけてピリピリした神経痛を伴う場合は、変形性頚椎症などの頚椎の障害を伴う複雑型で、特にこの手法が有効と思われます。五十肩の積極的な治療法は筋原性関連痛の発痛点を探し出すことが出発点です。
2008.7
第20回 日本レーザー医学会より
第20回日本レーザー医学会の低出力レーザー治療部門では、癌患者さんの痛みの治療にも用いられ成果を上げているという報告が注目されました。従来、癌性疼痛にはレーザー治療は無効なのではと思われていました。私自身も積極的に試みてこなかった分野でしたが、肝・胆・膵・胃・直腸・肺・膀胱・前立腺癌などに試みて、約70%の有効率だっと報告されたのです。一方、野球肩などのスポーツ障害への応用は定着した感があり、レーザーによく似たスポット型直線偏光近赤外線治療器も、整形外科疾患、末梢血行障害、アトピー性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患に対する有効性が広く認められ、有用な治療法として定着してきたようです。低出力レーザー療法は、この20年間の壮絶な議論を経て、痛みの治療法としての確固たる地位 を獲得し、少し大げさかもしれませんが、痛みの治療に革命を起こしたと言えましょう。
レーザー治療はなぜ効くの?
レーザー光の鎮痛作用は強力でありながらも、副作用がないことで知られています。今回はどのようにして効果 を現すのか簡単に説明します。組織を切るレーザーのメスの出力の1万分の1以下の低出力レーザー光を痛み部位に照射した場合、その部位の血流障害を取り除き、白血球から分泌される痛み物質や炎症を増大させる物質の産生を抑制し、痛み物質が伝わるのをブロックします。皮膚の創傷(きず)部位に照射した場合は、創傷が早く治るように蛋白合成を促進したり、酵素活性を高め、新しい血管を作り出すことで、傷を治し、その痛みもとります。さらに痛みを伝える神経や自律神経にも直接作用し、照射直後に痛みをとる効果 も確認されています。しかも、痛みの部位が身体の深い部分にあってもレーザー光の特性で、皮下の組織を突き抜けて届くため、治りにくい痛みに効くのです。
低出力レーザー治療紹介
これまで何度となくレーザー治療について紹介してきました。こんな治療法があることを知らなかったとか、以前に受けたレーザー治療と全く違う、とおっしゃる患者さんが後をたたないので再度紹介します。まず第一に、この治療法は主に痛みを取り除くために用いられるのであり、その効果は特殊な病気を除けば速効性であること。つまり、どれくらいの期間、効果が持続するかは病状、重症度などにより異なるとはいえ、原則的にはその場で痛みがかなりの程度、軽減されるのが特徴。老化現象と言われ諦めていた膝、股関節の痛みや腰痛などは、数回の治療で十分でしょう。この治療法のもう一つの特徴は応用範囲が広いという点、いわゆる脳卒中後の麻痺症状、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患や脱毛症、にきびなどの皮膚疾患も。それに痛みも熱くもない治療法です。
各種肩こりのレーザー治療
肩こりも十人十色。様々なタイプがあります。とにかく日本女性の80%、男性の60%が肩こりに悩まされているというデータもあります。日本人の生活習慣に加え、IT革命とやらがさらに拍車をかけているのでは。一般に肩こりを訴える人にどこがこっているかを尋ねれば、まず間違いなく指す部位が1点あり、その他に各人により選ばれる部位が4点ほど。そこにレーザー照射をすれば終了です。ただ我々が治療する機会があるのはこういう単純な肩こりでも重症タイプばかりなので数回は治療を必要とします。また、首の後側のこりや頭部全体の頭痛や頭重感、眼痛、まぶしさ、眼精疲労など、専門的には大後頭神経−三叉神経症候群と呼ばれるつらい症状で悩んでいる患者さんに朗報。レーザー治療がありますよ。照射部位がレーザー光の不得手な毛髪の生え際なので一工夫必要ですが。