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関節リウマチ医療は新たな時代へ

リウマチは治るという時代に入ってきました

 原因不明の難病であることに違いはありません。生物製剤という炎症メディエーターの源となっている分子を発病早期から1つ1つつぶしていけば、病気の進展が止まるのではないかと多くの臨床研究者達は思いはじめています。この視点に立って関節リウマチの診断基準が米国、欧州の2大国際リウマチ学会を中心に新分類基準が定められました。

関節リウマチ新分類基準

RA分類基準

関節リウマチ新分類基準の意義

  1. 関節リウマチは不治の病という印象を決定づけてきた旧診断基準との決別
  2. 新RA分類(診断)基準はリウマチは治癒する疾患であるという希望のメッセージ
  3. 新RA分類(診断)基準は生物学的製剤に与えられた勲章
  4. RA診療戦略の革命的変化・治療体系の変革

早期発見治療の意義

関節リウマチの臨床経過を変える

  1. 早期から完全に炎症をストップさせることが可能になった。
  2. 完全に炎症をストップさせると治癒するであろう。
  3. 治療開始が遅れると必ず関節破壊は進行する。
  4. 関節破壊に至らしめないためには、治療開始時期が限られる。この限られた期間を窓に例えてWindow of oppotunityと呼んでいます。この時期に強力な炎症抑制を行うために新分類基準が定められたのです。
  5. 症状出現から関節破壊が始まる前までがWindow of oppotunityと考えられます。しかし、その窓の広さには個人差があり、一概には言えませんが、関節炎症状出現後3ヶ月から6ヶ月程度と考えられます。この時期にリウマチ専門医による強力な免疫抑制剤あるいは生物学的製剤治療を開始することが求められます。これが目標達成のための治療戦略 T2T (Treat RA to Tatget & Tight control in RA)なのです。
window of oppotunity

ACR/EULARの予備寛解基準

臨床試験における寛解

  1. Booleanによる定義
    腫脹関節数、圧痛関節数、患者さんによる総合評価、医師による総合評価がすべて1以下
  2. 疾患活動性指標による定義
    SDAI=<3.3
    SDAI=腫脹関節数+圧痛関節数+患者さんによる総合評価+医師による総合評価 +CRP

日常診療における寛解:検査の結果を待たずに評価する実臨床での評価法

  1. Booleanによる定義
    腫脹関節数、圧痛関節数、患者さんによる総合評価がすべて1以下
  2. 疾患活動性指標による定義
    CDAI=<2.8
    CDAI=腫脹関節数+圧痛関節数+患者さんによる総合評価+医師による総合評価
    検査値に左右されない評価法です。
(Felson DT, et al, Arthritis Rheum 2011;63:573-586/Ann Rheum Dis 2011;70:404-413より)

生物学的製剤治療ができる患者さんとできない患者さん

  リウマチ治療は確実に進歩し、発病早期に強力な治療を適切に開始すれば、治癒する可能性もでてきています。このグループに入る患者さんは、発病早期の患者さん達ですが、進行期の患者さんに対する治療法も飛躍的に進歩しています。しかし、残念ながら合併症のため最新治療を受けられない患者さんも多数おられます。実際困っているのは、最新治療の恩恵を受けられない患者さん達でもあります。大きく3つのグループに分類されます。

  1. 発病初期または関節変形がみられないグループ
    (最先端治療の恩恵を最大限に受けられる)
  2. 進行して関節の破壊があり、現在なお、痛みや炎症が強いグループ
    (最先端治療の恩恵あり)
  3. 何らかの理由でリウマチ治療がスムーズに行えないグループ
    (治療選択肢が限られる)
    (このグループの患者さんが最も困っておられます)

生物学的製剤投与の禁忌

  1. 活動性結核を含む感染症を合併する患者さん。
    B型肝炎ウイルス感染者に対してはTNF阻害薬投与に伴ってウイルスの活性化および肝炎の悪化が報告されています。
  2. 胸部X線写真で陳旧性肺結核に合致する陰影を有する患者さん。
  3. 結核の既感染の患者さん。
  4. うっ血性心不全(New York Heart Assosiation分類III以上)を合併する患者さん。
  5. 悪性腫瘍、脱髄疾患を有する患者さん。