
関節リウマチに対する偏見を捨てましょう。
関節リウマチはもう不治の病ではありません。そうは言っても、すべての患者さんを治癒させるまでには至っておりません。我々は、慢性化させないために早期発見と積極的な早期治療介入により治癒を目指しています。しかし、不幸にも関節破壊に至った場合でも積極的な治療介入によりその後の関節破壊の進行を阻止できるまでに治療法は革命的に進歩しています。不自由さが多少残ったとしても痛みやだるさ等の不快感から解放されるのです。微細な骨破壊(骨びらん)をも修復できるまでになりました。この疾患は、積極的に治療を行わない場合、一般国民と比較し、寿命が10年は短いと言われています。しかし、積極的な治療により、寿命を短縮する大きな原因となる心筋梗塞、脳卒中等の心血管系疾患等の合併症を予防できることもわかってきました。
最近のリウマチ医療は革命とも言える変化の段階にあります。生物学的製剤をはじめ免疫療法の飛躍的な進歩によることが大きいと言えますが、強力な臨床効果の裏には、重大な副作用が存在することも明らかになってきました。こういう変革の時代にあって、我々リウマチ専門医に課せられた使命もこれまでに増して大きいと感じています。一方、高額な医療費のため、最新リウマチ治療をすべての患者さんに届けられないという実状もあります。多くの問題点をかかえる現場について自分なりの評価、意見を述べさせて頂きます。
また、我々は関節リウマチの克服を目指し、強力な免疫療法に加え、独特の抗炎症作用や破壊された骨関節組織の修復作用をもつ、レザー治療を積極的に導入し、独自のリウマチ治療体系を作り上げてきました。これまで治療した関節リウマチ患者さんは6000例を越え、内外の学会で、その成果を報告し続けています。更にレーザー治療の強力な鎮痛抗炎症効果は関節リウマチへの応用にとどまらず、あらゆる難治性疼痛性疾患に有効であることが日本レーザー治療学会、日本レーザー医学会、ペインクリニック学会、その他広く全診療科から報告されるに至り、今では、アトピー性皮膚炎、各種アレルギー疾患、脳出血後遺症による運動麻痺への応用等、とどまることを知らない程の広がりを見せています。さらに、レーザー治療の発展を目指し、2010年6月横浜において第22回日本レーザー治療学会学術集会の会長を務めさせて頂きました。しかし、まだまだ現状は、このレーザー治療によって救えるであろう患者さん達に十分で正しい情報が伝わっていないと感じました。我々の施設では関節リウマチ以外の疾患に対しても年間のべ15000回以上のレーザー治療を行なっています。この豊富な臨床経験に支えられたメッセージが、より多くの悩める患者さんのもとに届くことを心より願っております。
「第22会レーザー治療学会会長あいさつ」より抜粋
第22回日本レーザー治療学会をお世話させていただくことになり、大変光栄に存じます。伝統ある本学会の発展に寄与できるよう精一杯その任を全うすべく準備いたしました。会場は会員の先生方が集まりやすく、またご多忙の中で、ひと時でもくつろげますように、横浜山下公園を眼下に一望できる場所に設定いたしました。
レーザーが初めてコヒーレントな光を放射したのは1960年です。その後、医学生物学への応用が急速に広がり、1985年頃には、『魔法の光』『夢の光』などともてはやされる時代が来ていました。組織破壊作用に注目した高出力レーザーの研究が先行していたレーザー医療創設期に、その1/10000以下の弱い低出力レーザーの様々な生物学的活性化作用が注目されるようになったのです。そんな時代に我々も精力的にこの領域に関節リウマチに対する抗炎症作用の研究を通じて参加してまいりました。本学会はこの生物学的活性化作用に特化した基礎研究、臨床応用をめざす目的で諸先輩の先生方の大変なご努力により創設された伝統ある学会であります。本学会の発足により、従来レーザー発振装置の能力に注目して用いられていた低出力レーザーという名称よりも、生体の反応性に注目した低反応レベルレーザー治療(LLLT)という名称が一般的に使われるようになったことは先生方もご承知のことと存じます。
近年のレーザー医工学の進歩はめざましく、レーザー技術や光技術を用いた細胞機能や遺伝子発現の制御、蛋白質や高分子化合物の分析などの研究が急速に進んでおります。本学会はどういう方向に進むべきなのでしょうか。そこで、光の標的を意識してみようと提案いたします。抗炎症作用、美容、アンチエージングを目的とする場合であれ、レーザーあるいは光の作用に期待する標的は、生体組織、細胞なのか、その先の分子構造、原子なのか。この追求のために、あえて、光の波長に注目した特別講演、教育講演、シンポジュームを企画しました。また、LLLTの生体反応の基礎研究は本学会が世界に誇る最先端研究であり、教育講演のみならず、基礎研究と臨床との熱い議論ができるようにプログラムを企画しました。また、臨床医の独壇場である症例研究も重点テーマにしております。特に、LLLT、光治療、美容、アンチエージングなどの無効症例にもスポットを当てていただき、光に対する、生体反応のなぜや不思議について、本学会の特徴でもある基礎と臨床の膝を割った議論の先に、今後の本学会の発展に寄与する独創的な研究テーマを引き出したいと願っております。・・・・・・・・・・・